Repre(リプレ) 村木大介

僕の104歳のおばあちゃん

 

9月に結婚式を挙げた友人のお父様が、10月に亡くなられたと。

結婚式も出られるかどうかという状態であったのですが、当日は病院から駆けつけ、最前列で息子の晴れの姿を見守っておられました。

そんなお父様が、式を間もなくしてお亡くなりになられたそうです。

「式を見せられて良かった」と、友人は言っていましたが、ホントにそうだよね。

お父様、きっと安心したんだよね。

Repre(リプレ)

僕たち夫婦は、2010年の5月14日に結婚式を挙げました。

そして、1週間後の5月21日から新婚旅行に行くことになっていました。

結婚式を終えた翌日から僕は仕事に戻り、新婚旅行までの間に業務を残さないよう、スケジュールをたて毎日遅くまで働いていました。

そんな矢先・・・

結婚式から3日後の5月17日、仕事中の僕に父から電話が。

祖母が亡くなったと。

祖母は104歳でした。

白寿(99歳)のお祝いで、親戚一同で集まった時は、もうすでに僕ら孫のことも分かっておらず「今日はお客さんがいっぱいだねぇ」なんて、半分ボケて笑顔ではしゃいでいた祖母。

100歳を過ぎ、地元のテレビ番組に長寿で取材された時には、この前までボケボケだったのに、化粧までして「まだまだ若いですよ」みたいな顔で、しっかりした口調でインタビューに答えていたりする姿が、とってもチャーミングでした。

 

どうやら、僕たちの結婚式の1か月前くらいからかなり具合は悪く、いつ亡くなってもおかしくないような状況だったそうで。

ただ、僕たち夫婦にそれを伝えると動揺するかと思い、僕の両親は、僕たちにそのことを内緒にしてくれていました。

 

そして結婚式当日、もちろん祖母は参加せず。

そんなに具合が悪いことも知らなかったので、新婚旅行が終わったら、あいさつにでも行こうかと思っていました。

そんな矢先に訃報が。

 

今でも思うんです。

おばあちゃん、僕たちの結婚式が終わるのを、待っていてくれたんじゃないかって。

ホントはもうツラくて大変だったのに、結婚式まで頑張ってくれてたんじゃないかって。

けど、新婚旅行が終わるまでは待てなくって、もう「今しかない」って思って、ちょうど結婚式と新婚旅行のわずかな隙を狙って、息を引き取ったんじゃないかって。

 

偶然だと言われれば、そうかもしれません。

ただ、僕はそうは思いません。

祖母は、僕たち夫婦が気を使わないように、その時を待っていてくれたんです。

 

旅行の直前に、お通夜と告別式を行い、仕事場の仲間もみんなすごく協力をしてくれて、僕たち夫婦は予定通り新婚旅行に行かせてもらいました。

 

家族って、そういうことなんです。

最期の時まで、いっつも心配してくれて、それこそ自分の命に変えてでも、僕らの幸せを案じてくれて。

半年以上前から計画をして、僕も妻も、結婚式や新婚旅行を楽しみにしていたのを、祖母はずっと見守ってくれたいたんです。

 

あなたのことを見守ってくれている家族がいます。

それをあたりまえだと思わずに、大切にしましょうね。

おじいちゃん、おばあちゃん、両親、兄弟姉妹、みんなあなたのことを見ています。

 

自分の人生ですが、自分だけの人生ではありません。

僕は、そんな気がしています。

結婚して、祖母が亡くなり、子供が生まれ、

僕は、今、そんな気がしています。

 

今まで家族に守ってもらった分、今度は僕に何ができるのか。

そんなことを考えています。

 

 

 

 

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